Wednesday 28 February 2007

全豪2007観戦記 DAY 6 (その3)


朝からパラついていた雨は、その後も降ったり止んだりの繰り返し。屋根付きアリーナ以外のコートでは全く試合が行われていない。


仕事帰りのダーさんが午後から来場。


「せっかく来たのに気の毒やけど、今、外の試合全然やってへんねん」


「ああ、残念やなあ。けど、ヴィクトリアにとっては恵みの雨やねんで。もうずっとカラッカラやってんから」


この夏ここ何十年かで最悪の干ばつに見舞われたヴィクトリア州。取水制限はステージ3と呼ばれる段階に入っていて、庭への散水は早朝と夜の一日計4時間限定、芝生への放水と家庭でのホース使用の洗車に至っては完全に禁止されている。もしも違反現場を当局に発見された場合は、高額の罰金を払わなくてはならないとか。


再び強くなってきた雨足を避け、ロッド・レーバー・アリーナへ。建物内の通路は先客で溢れている。そして驚いたことに、ここではジベタリアン(死語)は若者だけの特権ではなく、老若男女がカーペットの床に座りこんで思い思いにくつろいでいるのだ。私たちもやっとのことで空いているスペースを見つけて腰を下ろす。


"Slice"という名前の割には結構なボリュームのチョコレートケーキを食べながら向かいの男性を見やると、横になり片腕で頭を支えながら新聞を読んでいる。ここはあんたの家のリビングか!なんて気を使わなくていい国なんだ、オーストラリア。


やがて、近くで若い人の奇声が聞こえてきた。既に出来上がっている様子。そんな人はいつも会場に数えきれないほどいるのであまり気にも止めていなかったら、突然男の人が私の目の前で立ち止まり、手のひらを逆手に差し出した。


・・・・・・・・何?


事情が飲み込めずポカーンとしていると、私の隣に座っていた見ず知らずの女性が「ここ、ここ」と男性の手のひらを指差している。それでも理解できずにいたら、「これを」と私の手を指した後「ここに」と再び男性の手のひらへ。


ハッ!


やっと事態を掴んだ私。自分の手のひらを男性の手のひらにパチーンと合わせるやいなや、男性は


"Yeahooooooooooo!!!!!!!!"


と声にならない声を上げて向こうへ走り去っていった。ああ、さっきの奇声の人か。なんていうか、リラックスしてるんだか、油断のならない土地なんだか、最早訳が分からない。


でも嫌いじゃないな、こういうの。


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