Thursday 8 April 2010

さようなら、キムタク

プロ野球読売巨人軍の木村拓也内野守備走塁コーチが7日未明、クモ膜下出血のため亡くなった。37歳の若さだった。

私は子供の頃から地元広島東洋カープの熱狂的ファンで、シーズン中はテレビ、ラジオでかかさず観戦。カープの選手にホームランが出れば「やったー!やったー!」とその場で小躍り。チャンスで凡退したり致命的なエラーを犯した選手がいれば、「このバカチンがーッ!!」「2軍で出直せー!!」と容赦なく罵倒し、座布団に八つ当たりしたものだ。

11年間籍を置いたカープ時代のキムタクは、好プレーもタイムリーヒットもたくさんあったはずなのに、私の中では大事な場面でエラーをしたり、代打に起用されてはストレートを振り遅れ内野フライを打ち上げていたようなイメージが強い。しかし、なぜか彼については「ああッ!もう!!」とがっかりするくらいで、ボロクソに貶したことがない。投手以外のどこでも守れるという他に例のない器用さを買われ、昨日はライト、今日はセカンドという具合に首脳陣から便利に使われていたので責める気持ちになれなかったのか。それとも、彼のいかにも一生懸命なプレーが怒りを和らげたのか。とにかくへまをやらかしても腹の立たない不思議な選手だった。

06年に巨人へのトレードが決まった時も、人柄を好ましく思っている選手をにっくき巨人に取られるなど本来腹の立つ出来事のはずだったが、なぜかキムタクについては「良かったなあ。これでお給料いっぱい貰えるね。巨人に行っても頑張れよ」と素直に思えた。

その後私はオーストラリアに移り、日本の球界の動向にはすっかり疎くなった。そのため、キムタクが昨年限りで現役を引退し、巨人のコーチに就任していたことも、2日に彼がマツダスタジアムで試合前のノック練習中倒れた、というニュースで初めて知った。

いくらなんでも、こんなにあっけなく死ぬことはないじゃないか。彼のことを思い出そうとすると、なぜかカープの赤いユニフォームを着て笑っているところしか思い出せない。


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