
しかし、大抵の場合その蓋を開けた瞬間
「なんじゃあ、こりゃーッ!!!」
とあまりにも強烈な匂いに瓶を放り投げたり、勇気を出して一口試した人でも
「なんじゃあ、こりゃーッ!!!」
と未知の領域の味に思わず吐き出してしまった方が多いのでは?かく言う私自身もあの独特の鼻を突く匂いがとても食べ物のそれとは信じられず、ダーさんからしつこく勧められても長い間口にすることを頑なに拒んでいた一人。果ては、
「こんな物がおいしいなんて、オーストラリア人とは一体どんな味覚の持ち主なのか?」
と疑惑は国民全体にまで。
そんなある日、語学学校のクラスの企画で「オーストラリアの人気スプレッド試食会」が催されることに。ちなみに、この時用意されたのはベジマイト、ナテラ、ピーナッツバターの3種。


気前の良いことに、先生が自腹でスプレッドと合わせて約20名ほどの全生徒分の食パンまで用意してくれた。ところで、ナテラとピーナッツバターはともかく、ベジマイトはちょっと遠慮したい気が……。しかし、この状況下にあっては逃げられそうにない。
全員に行き渡るよう一枚のパンをさらに半分に切り分け、いざベジマイトを塗ろうとしたその瞬間、先生が大きな声で注意を促した。
「みんな、ベジマイトは薄く塗るのよ。じゃないと、塩辛くなるばかりで不味いわよ」
えっ、そうなんですか?そんな話は初めて聞いた。言われるままに少量をナイフに取り、パンの表面が隠れない程度にうすーくうすーくパンに塗る。そして一口・・・・・モグモグモグ・・・・・
・・・・・あれっ?おいしい!
同じく初めてのベジマイトを前に険しい表情だった隣のロシア人O嬢も、「あらっ?」と何やら嬉しげに微笑んだ。おいしい?おいしいよね!なんだ薄く塗ればベジマイトもおいしいんだ。知らなかった!
新発見にすっかり気を良くする私たち。その様子をしばらく無言で眺めていたボランティアチューターのおじいちゃんオージー、H氏がポツリとつぶやいた。
「・・・・・なんでそんな物を食べる気になれるのか、僕には分からんね」
こんにちは
ReplyDelete僕もオーストラリアに来た最初の方はベジマイトを食べることができませんでした。においと味が全然だめで。でも薄く塗ることと、あとトーストに最初バターを塗ってからベジマイトをつける事を教えてもらってから食べれるようになりました。
iAEさん、はじめまして。お返事が遅くなってすみません。
ReplyDeleteクリスマスいかがお過ごしですか?
バターを先に塗るという話は初耳です。何だかおいしそうですね。
今度是非試してみようと思います。